日本語をこねくり回す。映画や音楽にケチをつける。変なものを変だと言う。変じゃないものにも変なこと言う。カテゴライズするのは結構だが、複数のかけ離れたジャンルを少しずつかじるような人の立場は。

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アメリ

アメリ/Amelie(2001、仏)

わー。フランス映画だ、珍しい。と思ったけど『TAXi』もフランスだった。お、それを思い出してこの映画のランクが1コ落ちた。アメリよりリリーの方が好きだ。いや、それは映画そのものの評価ではないが。とにかく、何でコレ観たかったのだろう。内容云々は一切関係なく、とある特殊な事情により音声無し状態で断片的に見せつけられたせいで、ちゃんと本編を通して観ないと気が済まなくなってしまった、ということにしておこう。その方が楽だ。

さて。これはまぎれもなく、現代版『ローマの休日』だ。『ローマの休日』へのオマージュだ。二つの作品は、ストーリー設定…違う。製作国…違う。舞台国…違う。なんとなく雰囲気…違う。何も共通点ないじゃん。でもこれは間違いない。現代の時代そのものが持つ「キッチュさ」を以ってして、古き良き時代の映画の「他愛無さ」をアレンジすると(リミックス、という感じではない)、こうなる。明快で分かりやすく、かつテンポが良くて、その上、なんだかどうでもいい感じでないといけない。そのくせ、深みにはまるとストレートの球速は破壊力抜群で、磁石やコロコロのように一部の人をくっつけて止まない。そんな荒業を達成してるかどうかは疑問だが、まあそういうことだ。50年の歳月を経て益々好調です。

心の準備をしてからの鑑賞だった。一足先に断片的に見せられていたため、それによって形作られた先入観を持って観た。そして、いきなりイスを後ろに引かれてしりもちをついた。DJ的なテンポのノリを覚悟していたら、いきなり粘度の強すぎる2サイクルオイルのようにスローになり、かと思えば50ccの小気味良い排気音とともにスイーっと走り去り、あれよあれよと置き去りに。と言ってもせいぜい50km/h程度だろうか。そして翻弄されたまま、気付けば2時間が過ぎ去った。

アーニャと新聞記者によるベスパの二人乗りシーンは有名である。しかし、ベスパはあくまで脇役であって、それに製作者が何らかの意図を込めたり、評論家が何らかの意図をでっち上げたりしてるとしても、やっぱ単なる小道具である。…大道具かなぁ、さすがに。125ccだし。物語の後半には、登場さえしない。そんな深い悲しみを胸いっぱいの愛で語るかのように、これでもかと言わんばかりに新聞の一面広告よろしくエンディングに流れる景色とモトベカンの二人乗り。結局それが言いたいだけなんじゃないのか。これが、古き良き時代の映画への、愛と蔑みを表すと同時に、現代のキッチュという言葉の極地をちらつかせ、将来への懸念をも抱かせるのである。おまえ、幸せ幸せって、ほんとにそれだけでいいのかよ。大丈夫かよ。

ところであのモペッド、モトベカン…だっけ?と、自信がなかったのでGoogleで「アメリ モトベカン」と検索したところ、いーっぱいヒットした。正解。しかしモトベカン、色んな映画に登場しているようだ。『TAXi』のプジョーといい、こいつのモトベカンといい、愛国心旺盛であることよ。アメリカはベスパな国の映画なんて作ってていいのかよ。王女と新聞記者がハーレー・ダビッドソンでNYかラスベガスあたりを(別に首都じゃなくてもいいだろう)タンデム…いいなあ、2010年までに公開してほしい。でもその前に王女がいないことが問題だ。

まあ、そんなこんなで、あのモペッドに心打たれた人は幸せだ。私の唯一の失態は、ニノが最初にモトベカンに飛び乗って走り去るシーンを見たとき、彼はたまたまそこに停めてあったのを15の夜したのだと勘違いしてしまったことだ。私の幸せはしぼんだ。しかし反動で後半には却って大きく膨らんだ。唯一最大の気掛かりは…ジョルジェットはどーなのよ。え?

『ローマの休日』、そろそろ観るべかな。まだ一度も観てないのよ(04年9月現在)。いちベスパ乗りとして、一応持ってはいるのだけど(ちょうどデジタルリマスターのDVDが出た頃に中古LDを発見して思わず買ってしまった)。

2004/09/15(水)| 映画| トラ(0) | コメ(0)
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